韓国を訪れているアメリカのジェイコブ・ルー財務長官は3日、韓国銀行を訪れ、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁と会談しました。
アメリカの財務長官が韓国銀行を訪れて総裁と会談したのは今回が初めてで、会談の内容に関心が持たれています。
会談はアメリカ側からの提案で非公開で行われ、リッパート韓国駐在アメリカ大使も同席しました。
会談では、アメリカの金利引き上げの見通しや、通貨危機の際に自国の通貨と相手国の通貨を融通しあう通貨スワップを両国間で再開することなど、金融市場の懸案について意見が交わされたとみられています。
アメリカはことし4月、韓国は金融当局が為替介入することによってアメリカとの貿易でばく大な黒字を計上しているとして、韓国を為替政策の「監視対象国」に指定したことから、韓国の金融当局の為替介入についても議論されたものとみられています。
アメリカの政界や産業界では、ことし11月の大統領選挙を控えて、韓国など貿易黒字国に対する不満の声があがっていて、韓国製の鉄鋼製品に反ダンピング関税をかける予備判定を下すなど、アメリカ政府の対応が積極的になっています。
今回の会談に同席したリッパート韓国駐在アメリカ大使も2日、韓国に対して、「さらなる市場開放が必要で、韓米FTA=自由貿易協定を徹底して履行すべきだ」と述べていることから、アメリカの通商圧力が本格化したのではないかとする見方が出ています。