北韓が外貨稼ぎのために運営していた中国の「北韓レストラン」の従業員12人が、ことし4月に集団で脱出して韓国入りした問題で、北韓の従業員らが自らの意志で韓国入りしたかどうかが法廷で問われることになりました。
集団脱出した従業員の北韓にいる家族は、彼らが韓国当局によって拉致されたと主張していますが、これに対し、国家情報院は従業員らが自らの意志で韓国入りしたとしています。
北韓の従業員らは、現在、国家情報院が管轄する「北韓離脱住民保護センター」に収容されていますが、この施設は脱北者が韓国入りしてから2~6か月間滞在しながら調査を受けるところです。
市民団体の「民主社会のための弁護士会」は、北韓の従業員に対する人権侵害の是非を確認しようと、国家情報院に従業員との面会を申し出ましたが、国家情報院はこの要求を拒否しました。
こうしたことから弁護士らは、先月24日、ソウル中央地方裁判所に対し、不当に施設に収容されている者の基本権を保障するため、裁判所に釈放を要請する「人身保護救済請求」を出していました。
これを受け、ソウル中央地方裁判所は、従業員12人が自らの意志で韓国入りしたかどうか、人権侵害はなかったかなどを確認するため、21日、彼らに対する人身保護救済請求の尋問を行うことにし、国家情報院に従業員の法廷出席を求めました。
裁判所が韓国国内の保護施設に留まっている脱北者収容の適法性を問うのは、今回が初めてです。
21日の審理は、非公開で行われます。