加湿器に使用する殺菌剤で多くの死傷者が出た問題で、業務上過失致死傷などの罪で起訴されたメーカーの元社長など主な関係者4人に対する初の公判準備期日が17日、ソウル中央地方裁判所で行われましたが、捜査記録のコピーが終わっていないという理由で、わずか40分で終わりました。
イギリスに本社を置く多国籍企業、レキット・ベンキーザーの韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」=現在の「RBコリア」は、2001年から2011年半ばまで、加湿器の水に混ぜて使用する殺菌剤に有害な化学物質、PHMG=ポリヘキサメチレングアニジンが含まれた製品を販売しており、申鉉宇(シン・ヒョンウ)元社長をはじめ、元研究所所長、元研究員の3人が、適切な検査をせずにPHMGが含まれた製品を開発・販売し、死傷者を多数出したとして、業務上過失致死傷などの罪で起訴されています。
また、別のメーカー「バターフライエフェクト」の元代表も、PHMGよりもさらに有害とされる化学物質、PGH=塩化エトキシエチルグアニジンを使って加湿器殺菌剤を製造・販売し、死者14人を含む27人の被害者を出した罪で起訴されています。
17日に行われた、争点を整理するための公判準備期日で、「オキシー・レキット・ベンキーザー」の被告側は、まだ捜査記録をコピーできていないとして、立場の表明を見送りました。
捜査記録は全体で1万ページに及ぶものとみられ、弁護人は、「被告人を防御するためには記録の検討が前提にならなければならないが、検討にはかなりの時間がかかるものとみられる」としています。
これに対し、裁判所は、「この事件をほかの事件より優先して処理する考えだ」と述べ、捜査記録の閲覧・コピーを急ぐよう求めました。
次の公判準備期日は6月27日に行われます。