ディーゼル車の排ガス不正が問題になっているフォルクスワーゲン社ですが、あらたに、ドイツのフォルクスワーゲン本社が、韓国法人に対し、改造などを直接指示していたことがわかりました。
検察によりますと、排ガス検査の基準を満たさず、韓国への輸入が認められなかった車両を改造した後に販売していたということです。
こうした不正が行われたのはガソリン車の「ゴルフ1.4TSI」で、韓国では去年3月から合わせて1567台が販売されました。
韓国はガソリン車の排ガス基準がアメリカ並みに厳しく、この車両は基準を満たさず、一昨年5月ごろに不合格判定が出され、韓国での販売許可が下りませんでした。
フォルクスワーゲン側は排ガスが減るソフトウェアを開発・搭載し、一昨年11月に検査を通過しました。
法令により車両の部品やソフトウェアなどを変更した場合、別途の認証を受ける必要がありますが、フォルクスワーゲン側は届け出をしなかったため、事実上、車両を違法改造したことになります。
排ガスを減らすと車両の耐久性に問題が出ることがあるため、ソフトウェアを変更した場合、耐久性試験をする必要がありますが、フォルクスワーゲン側は試験をしなかったというです。
検察はこれらの不正に対し、大気環境保全法違反、私文書偽造、偽造私文書行使などの容疑の適用を検討しています。
検察関係者は新車のため現時点では大きな問題はないとみられるものの、走行距離がある水準に達すれば。問題が生じる可能性もあると指摘しています。
これに先立って、検察はフォルクスワーゲン側が自動車の輸入に必要な排ガスと騒音テストの成績書でもデータの不正操作を行っていた事実を確認しています。