北韓による核実験やミサイル発射など、相次ぐ挑発への報復措置として、韓国軍は、休戦ラインの北韓向け宣伝放送用の拡声器を、年末までにいまの倍に増やすことを決めました。
政府関係者が6日、明らかにしたところによりますと、北韓向け宣伝放送用の固定式拡声器を、現在の11か所から年末までに21か所に増やす一方、移動式拡声器も現在の5~6台から倍増させるということです。
今回、新たに投入される固定式拡声器は、10キロ以上離れたところからも、人の声が鮮明に聞こえるほど、性能が非常に優れているといわれています。
政府は、北韓向け宣伝放送が心理戦に効果があると判断していて、今回の拡声器増設は、北韓の挑発に対する報復措置だとしています。
これに先立ち、朴槿惠(パク・グネ)大統領はことし1月に発表した国民向け談話のなかで「全体主義にとって最も強力な脅威は、真実を伝えることだ」と述べて、拡声器を使った宣伝放送の必要性を訴えています。
しかし、去年8月、韓国軍が11年ぶりに拡声器を使った宣伝放送を再開すると、北韓は砲弾1発を発射するなど反発していて、拡声器放送の拡大による軍事的衝突を心配する声も少なくありません。