復元工事が進められている、アメリカ・ワシントンにある大韓帝国公使館の建物から、19世紀末から20世紀はじめにかけての公使館の活動状況を示す資料15点が見つかり、国立文化財研究所に移されていることがわかりました。
文化財庁と国外所在文化財団が明らかにしました。
みつかったのは、1906年に行われた、当時のアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の娘の結婚式への招待状や、1892年に開かれた有名画家の展覧会への招待状、クリスマスカードなど15点で、公使館の建物の2階のペチカと壁の間から見つかったということです。
なかでも、ルーズベルト大統領の娘の結婚式への招待状は、第2次韓日協約によって日帝に外交権を奪われたあとも、韓国の公使が結婚式に招待されたことを示すもので、外交史的意味が大きい資料となっています。
国外所在文化財団は、ことし4月に15点の資料を発掘し、国立文化財研究所に移して保存処理を行っているということです。
アメリカ・ワシントンにあった大韓帝国公使館の建物は、1889年から16年間、大韓帝国の外交の場として活用されていましたが、1905年の第2次韓日協約により機能が停止し、1910年の韓日併合後、日本が買い入れて売却しました。独立後、在米韓国人会と韓国政府が建物を取り戻すために努力し、2012年10月に文化財庁が買い戻して2015年10月から復元工事に入っていて、来年上半期に工事を終え、博物館として一般公開されることになっています。