来年から適用される最低賃金の時給が、6470ウォンに決まりました。引き上げ率は7.3%で、去年の引き上げ率8.1%から大幅に下がりました。
最低賃金の引き上げ率は、ここ数年間上昇傾向が続いてきましたが、大きく落ちることになりました。
最低賃金委員会は、ことし4月はじめから、労働組合側委員9人、企業経営者側委員9人、そして、政府側の公益委員9人の合わせて27人が集まって、来年の最低賃金について協議を行ってきました。
しかし、1万ウォンへの引き上げを求める労働組合側と、6030ウォンの凍結を求める企業経営者側の間で隔たりが大きく、交渉は難航し、交渉期限の先月28日を過ぎても結論が出ませんでした。
こうしたことから、今月12日、公益委員は、これ以上交渉の進展が望めないと判断し、公益委員が出した最低賃金案の上限と下限の中間値である6470ウォンについて、採決に入りました。
採決には、27人の委員のうち、労働組合側の委員9人全員、企業経営者側委員2人が参加しない中、賛成14、反対1、棄権1で可決されました。
この最低賃金は、20日間の労使双方による異議申し立て期間を経て、雇用労働部長官が8月5日までに確定して告示することになります。
労働組合側は、この来年度の最低賃金に激しく反発しており、異議を申し立て、ストライキに乗り出すとしています。
一方、最低賃金をめぐっては、日本や中国、ロシアなど世界の主要国が大幅に引き上げる方針を表明しているほか、国内でも4月の総選挙で大幅の引き上げを掲げていた野党勢力が勝利したことから、来年度の最低賃金の大幅な上昇への期待が高まっていました。
しかし、今回、引き上げ率が大きく下がったのは、公益委員が最近の造船業の構造調整やイギリスのEU=ヨーロッパ連合離脱などの悪材料が重なったことを踏まえて出した苦肉の策という見方が出ています。