慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴された朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授に対する裁判は、朴教授が当初出していた、日本の裁判員裁判にあたる「国民参加裁判」の申請を撤回したことから、一般裁判で行われることになりました。
ソウル東部地方裁判所は19日、朴教授がことし1月に提出した国民参加裁判の申請を撤回したことを明らかにしました。
朴教授は初公判が行われる前日のことし1月19日、この問題について、より多くの人が正しい認識をもつことが重要だと判断し、国民参加裁判を申請し、本の全文を一般に公開していました。
しかし、その後、この本を批判する書籍が出版されるなど、予想外の動きが現れているうえ、裁判部が今回のケースの場合、一般市民の陪審員が法理問題を理解するのが難しいとの懸念を示したことから、申請を撤回したということです。
朴教授は、2013年に出版された著書「帝国の慰安婦」で、元慰安婦について「自発的な売春婦」などと記述し、検察が元慰安婦らの刑事告訴を受理し、去年11月、虚偽の内容で被害者の名誉を傷つけたとして名誉きそん罪で在宅起訴していました。
朴教授に対する次回の公判期日は、8月30日です。