アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国配備をめぐり、中国のメディアが非難を強めています。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は4日付けの社説で、「韓国がサード配備を強行し、中韓の政治関係の緊張につながれば、中国内の韓流はやがて激しく損なわれるだろう」としています。
そのうえで、韓国にとって中国はバラエティー番組分野の世界最大市場であると強調し、「韓流スターがサード配備によって犠牲になっても、それは韓国自らが招いた結果だ」と警告しています。
中国では、6日に北京で予定されていた、韓国の俳優、キム・ウビンと女優のペ・スジのファンミーティングが取り消しになっており、主催者側は、理由について、「われわれがコントロールできない力によって無期限延期になった」としています。
こうした中国の動きについて、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、「サード配備により、韓国の主な輸出品である韓流が中国当局による報復のターゲットになっている」と伝えました。
中国政府はこのほど、韓国でビザ申請を代行してきた中国業者の資格を突然取り消すなど、韓国人に対する商用数次ビザの発給を厳格化しており、韓国への報復措置の一環とする見方が広がっています。