グーグルが韓国の精密地図データの海外持ち出しを求めていることについて、韓国政府が決定を延期すると発表しました。
国土交通部は9日、12日に開催される予定だった地図国外搬出協議体の第2次会議を延期する方針だと発表しました。
国土交通部、未来創造科学部、国防部など8つの政府部署が出席する地図国外搬出協議体の第2次会議では、ことし6月にグーグルが政府に対して精密地図データの海外持ち出しを許可するよう求めたことを受けて、搬出を認めるかどうかを決める予定でした。
この協議体で幹事役を務めている国土交通部は、9日に発表した報道資料で、「最近この問題を巡って、政策討論会やメディアなどを中心に各界から様々な主張があり、より踏み込んだ検討と議論を行うために協議体の会議日程を延期することを決めた」と説明しました。
8日に行われた政策討論会では、搬出をしない場合、韓国が技術革新の面で遅れるという意見と、安保上危険であるという意見が対立しました。そんな中、グーグルが韓国の精密地図データを海外のデータセンターに移そうとしており、これは韓国に事業所を作らない方法で税金逃れをするためだという意見が提起され、反対の声が高まっています。
さらに、政府が精密地図データの海外持ち出しを許可する条件として、他の国に提供する衛星写真で大統領府青瓦台など安保施設を削除するよう求めたことについて、グーグル側が「他国でサービスしているグーグルマップを韓国側が検閲する根拠がない」としており、事実上、精密地図データの海外持ち出しは難しいものとみられています。
国土交通部の関係者は、今回延期となった地図国外搬出協議体の第2次会議開催日程について、「会議は早ければ19日、または22~23日ごろ開かれる可能性が高い」としています。