連日の猛暑に苦しむ市民から「電気代が高くなるからエアコンを使えない」と不満が相次ぐなか、韓国人の5人に4人は、電力使用量が増えるほど割高になる住宅向け累進制度を見直すべきと考えていることがわかりました。
世論調査会社のリアルメーターが11日に公表した、全国の成人男女518人を対象に行った世論調査の結果によりますと、現行の電気料金の累進制度について、「廃止すべき」と答えた人は41.3%、「緩和すべき」と答えた人は39.6%で、合わせて80%以上が見直すべきだと考えていることがわかりました。
「維持すべき」は9.1%、「よくわからない」は10.0%でした。
電気料金の累進制度は、電気の使用量に応じて電気料金の単価が高くなる制度で、韓国では、1973年のオイルショックを機に、エネルギー節約と低所得層への割安な値段での供給のために、住宅向けに導入されたものです。
電気の使用量によって6段階に区分され、段階別の1キロワットアワー当たりの料金は、最低60.7ウォン、最高709.5ウォンで、その差は11.7倍になっています。
この制度をめぐっては、累進制度がない商業向けに比べて料金が過度に高くなること、家電製品の大型化やエアコン、電気ヒーターなどの普及が進み、家庭の電力使用量が増えていることなどから、制度の見直しが必要と指摘する声が出ていました。特に、このところ、猛暑が続くなか、電気代が心配でエアコンを使用できないとする市民からの不満が高まっています。
これを受けて、与野党では、制度の見直しに乗り出す動きを見せており、11日現在、5件の料金改定の法案が国会に提出されています。
電力政策を総括する産業通商資源部は、制度の見直しは、電気を多く使う富裕層に対する減税になりかねないこと、電力不足による停電発生のおそれがあるなどとして、消極的な姿勢を示しており、今後の行方が注目されています。