猛暑続きで家庭向け電気料金の値下げを求める声が高まっていることから、政府と与党セヌリ党は11日、7月8月9月の電気料金を値下げすることを決めました。
韓国の家庭向け電気料金は、電力使用量が大きいほど割増率が高くなる累進制を導入しています。このため料金は使用量によって6段階に区分され、最低の区分では1キロワット60.7ウォンですが、最高の区分になると1キロワット709.5ウォンとなり、その差は11.7倍もあります。しかし工場など産業用の電気料金には累進制を適用していません。
ことしの夏は厳しい猛暑が続いており、電気代が心配でエアコンを使用できないという国民からの不満が高まっています。
こうしたことから政府とセヌリ党は11日、緊急会議を開き、一時的な対策として、7~9月は電力使用量の区分を月50キロワットずつ拡大することを決めました。これによって全国2200万世帯の電力料金は、平均19.4%値下げされるということです。
政府はこれまで、電気料金を値下げすると電力不足が懸念されるとして、料金制度の見直しに難色を示してきましたが、セヌリ党の新しい代表に就任した李貞鉉(イ・ジョンヒョン)氏らの指導部が11日の朴槿恵(パク・クネ)大統領との昼食会で電気料金制度の見直しを要請し、朴大統領が受け入れる意向を示したことから、見直しに着手したものです。
しかし今回、政府が発表した料金見直しは一時的な措置であることから、現在6段階ある区分の数を減らし、最高区分と最低区分の料金の差を縮小するなど、根本的な対策が必要だと指摘する声が出ています。
これについて政府は、中長期的な課題だとして特別チームを作り議論するとしています。