イギリス駐在の北韓大使館のテ・ヨンホ公使が家族と共に韓国に亡命したことを受けて、北韓は、海外で暮らす外交官や貿易関係者の家族に対し、召喚命令を出したもようです。
北韓消息筋が18日に伝えたもので、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長が、テ・ヨンホ公使の亡命に激怒し、同じようなことが発生しないよう、外国で暮らす外交官や貿易関係者の家族に対し、北韓への召喚命令を出したということです。「人質」を取って亡命を防ぐのが狙いとみられています。
一方、アメリカ政府系放送の自由アジア放送は18日、テ・ヨンホ公使が、イギリスで、外交官とその家族に対する思想教育を担当していたと伝えました。現地の脱北者の動向や関連記事、主要人物などを監視し、報告書をまとめて本国に送る仕事もしていたということです。
ところで、テ・ヨンホ公使の妻について、抗日パルチザン時代からの金日成（キム・イルソン）主席の同志、呉白竜（オ・ベクリョン）元国防副委員長の一族である可能性が取り沙汰されています。
テ・ヨンホ公使と家族は、現在、韓国の情報当局の保護のもと、調査を受けており、調査後も引き続き、国家情報院から身辺の保護を受けるものとみられています。