加湿器に使用する殺菌剤で多くの死傷者が出た問題で、韓国の国会議員などからなる国政調査特別委員会が、真相究明のため、殺菌剤製造会社のレキット・ベンキーザーのイギリス本社を訪れる予定でしたが、計画が頓挫したことがわかりました。
この問題は、イギリスに本社を置く多国籍企業「レキット・ベンキーザー」の韓国法人が、2001年から2011年半ばまでのおよそ10年間にわたって、加湿器の水に混ぜる殺菌剤として有害な化学物質が含まれた製品を販売し、2011年から肺機能に障害が生じるなどの被害が報告されたものです。環境保健市民センターの推計によりますと、加湿器殺菌剤の影響で死亡した人は266人にのぼっているということです。
そして、問題発生から5年が経ったことし7月、真相究明と被害者救済のため、国政調査特別委員会が発足、国政調査がスタートし、委員会は22~26日にイギリス本社を訪れて調査を行い、最高経営者とも面談する予定でした。
しかし、委員会が19日、明らかにしたところによりますと、「レキット・ベンキーザー本社がすべての調査を非公開で行うよう求めてきた」ということです。
これに対し、委員会は「それでは訪問の意味が失われる」として協力を求めましたが、態度は変わらないとの立場を韓国法人を通じて伝えてきたということです。
委員会の長を務める、最大野党、ともに民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)議員は「これがイギリス政府の立場であれば、非常に遺憾で不適切だ」と批判しました。
その上で、10月4日に行われる聴聞会で、韓国法人の担当者に対し、本社の責任者が韓国に来るよう強く求めるとともに、本社が問題に介入したかどうかを集中的に追及していく考えを示しました。