12日夜、韓国南東部の慶尚北道(キョンサンブクド)・慶州(キョンジュ)で発生したマグニチュード5.8の地震は、韓国気象庁が1978年に観測を始めて以来、韓国で起きた地震としては歴代最大規模となりました。
道によりますと、今回の地震で、23人がけがをし、282件の被害の届出があったということです。
今回の地震では、2回にわたる大きな地震があり、その後、余震が200回以上発生しています。
はじめの地震は、12日午後7時44分ごろ発生しました。震源は、慶尚北道・慶州市から南西9キロでマグニチュードは5.1でした。それから、50分ほど経った8時33分頃に慶州市から南南西8キロを震源とする、マグニチュード5.8の地震がありました。
各地の震度は、慶州、大邱(テグ)が、日本の震度4にあたる震度6、釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)が、日本の震度3から4にあたる震度5となっています。
今回の地震で、建物にひびが入る、水道配管が破裂する、寮の天井の一部が崩壊するといった被害届けがありました。また、高速鉄道のKTXが緊急停車し、火力発電所は安全の確認のために、一時、運転を止めました。
一部の地域では、安否を確認しようと携帯等の利用が集中し、通信網が混乱しました。
また、高層ビルや崩壊の危険があると判断された建物では、緊急避難措置が取られました。
韓国水力原子力は、地震対応マニュアルに沿って慶州市にある原子力発電所、月城(ウォルソン)原発の1〜4号機の運転を停止しています。
幸い、被害は、地震の規模に比べて大きくないとされています。
これは、震源が最初の地震が13キロ、2回目の地震が12キロで、高層ビルに影響を与える低周波エネルギーが少なかったためと分析されています。
慶州の文化財も、今のところ大きな被害は確認されていないということです。
今回の地震は、釜山から梁山(ヤンサン)、慶州へと続く梁山断層帯付近で発生したものと推定されています。
韓国地質資源研究院の地震研究センターは、「2011年の東日本大震災以降、地中に蓄積されてきた応力が膨張し、地震が発生したものとみられる」と説明しています。
しかし、一部では、今回の地震は、東日本大震災とは関係がないとの見方も出ています。
気象庁は、今後、マグニチュード6.0を超える地震が発生する可能性があるとして、注意を呼びかけています。ただ、マグニチュード6.5以上の大地震が起きる可能性は低いとしています。