済州島で60代の女性が中国人に刃物で刺され死亡する事件が発生するなど、中国人による凶悪犯罪が相次いでいることを受けて、中国人観光客に対するビザ免除制度の廃止を求める動きがインターネットを中心に広がっています。
済州島では17日に、60代の女性が中国人の男に刃物で胸や腹などを刺され死亡する事件が起きているほか、12日には、中国人観光客が飲食店の女性オーナーや客などを殴る事件が発生し、中国人5人が逮捕されています。
中国人観光客による凶悪事件が相次ぎ、住民らが不安を募らせていることから、韓国の大手ポータルサイト、「ダウム」のあるユーザーは18日から「観光収入よりも国民の安全を優先するべきだ」として、ネット上で、ビザ免除制度の廃止を求める署名を集め始めました。賛同者1万人を集めることを目標に始まったこの活動には、翌日の19日午後4時時点で、目標を上回る1万1800人の署名が集まりました。
外国人に対するビザ免除制度の廃止を求める声が高まっていることについて、元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州道知事は19日、関係機関による対策会議で、「まずは、経済、外交に与える影響を総合的に検討し、法務部や検察などと協議して補完対策を検討する」と述べ、制度廃止に慎重な姿勢を示しました。
済州島では2002年から外国人に対するビザ免除制度を実施しており、テロ支援国に指定された11か国を除くすべての国の人に対し、ビザなしで入国し、1か月まで滞在できるようになっています。
済州地方警察庁によりますと、今年に入ってから7月末までに済州島で犯罪を犯した外国人347人のうち、69.2%に当たる240人が中国人で、特に殺人や強姦などの凶悪犯罪のほとんどが中国人によるものだということです。