中国の通貨人民元が、1日から国際通貨基金(IMF)の特別引出し権(SDR)通貨に組み入れられ、5番目の基軸通貨になりました。
IMFのラガルド専務理事は先月30日、IMF本部で記者会見し、加盟国に配分する仮想通貨、SDRに中国の人民元が10月1日付で加わると宣言しました。
SDRは、IMFに加盟している189か国に出資額に応じて配られ、通貨危機に陥った国は外貨と交換できます。IMFは、人民元の影響力拡大を目指す中国の要請を受け入れ、去年11月にSDRへの採用を決めました。
これで、人民元は、ドル、ユーロ、ポンド、円に続く5番目の基軸通貨になりました。
新たなSDRの構成比率は、人民元がおよそ11%を占め、42%のドルと31%のユーロに次いで第3位で、8%の円とポンドを上回っています。
今後、世界各国は、自国の外貨準備高に占める人民元の割合を増やし、貿易でも人民元の取引が増えるとみられます。
一方、韓国経済に及ぼす影響についても注目が集まっています。
人民元がSDRに編入されたことで、韓国はドルへの依存度が減る効果がある一方、中国への依存度は高まり、中国経済が落ち込むとその影響を受けやすくなる恐れがあります。
専門家は、「短期的には、韓国経済への影響は制限的だが、人民元は変動性が高いことから、リスクへの対応が必要だ」としています。
これに先だち、韓国は、人民元の地位が高まることに備え、2014年12月、人民元とウォンの直取引市場を開場したほか、去年12月には世界で初めて、中国での人民元建ての国債を発行しています。