去年11月にソウル中心部で行われたデモに参加し、警察の放水の直撃を受けて意識不明になり、先月亡くなったペク・ナムギさん(69)の死因と事件の責任を追及するため、韓国の最大野党であるともに民主党と国民の党、正義党の野党3党は5日、常設特別検事法を活用した特別検事による捜査が必要だとして、5日、法案を国会に提出しました。
ペクさんを直撃した警察放水車の運用指針違反など基本的な事項から、最近浮上したソウル大学病院の死亡診断書問題まで盛り込まれているということです。
常設特別検事法は2014年から導入されたもので、国会の本会議で在席議員の過半数の出席、出席議員の過半数の賛成により可決した場合、または、法務部長官が必要と判断した場合に、特別検事を任命することを認めるものです。
一方、ペク・ナムギさん(69)の死亡原因について、ソウル大学病院の主治医が死亡診断書に、外部の衝撃による死亡を意味する「外因死」ではなく、「病死」と記入したことについて、遺族らはソウル大学病院側に死亡診断書の修正を公式に求めました。
遺族らは4日、記者会見を開き、「死亡診断書は主治医の判断によるもので、大韓医師協会の作成指針を違反したことは認めるが、修正を強要することはできないというソウル大学病院の説明は、ルール違反した学生の解答用紙を正解として認めるものと同じだ」と指摘しました。
さらに遺族らは、司法解剖令状の内容を公開するよう検察に求めましたが、検察がこれを拒否したため、ソウル鐘路(ジョンロ)警察署に情報公開を請求しています。
この問題については、ソウル地方警察庁長が4日、国会の国政監査で「司法解剖令状は、有効期限の10月25日以前に執行される」と述べ、波紋が広がっています。