海外新興市場の長期低迷や国内での販売不振などで、現代(ヒョンデ)・起亜(キア)自動車の販売台数が通貨危機以来18年ぶりにマイナス成長に転じる見通しです。
自動車業界によりますと、ことし7月から9月期の現代・起亜自動車の業績は、国際会計基準(IFRS)の適用が義務付けられた2010年以来、もっとも悪くなる見通しだということです。
業績は、今月27日ごろ発表される予定です。
現代・起亜自動車のことし1月から9月までの販売台数は、国内外で562万1910台で、去年の同じ期間に比べて1.8%減っています。
こうした傾向が続けば、年間の販売台数は、去年の801万5745台にも及ばないとみられ、1998年の通貨危機以来、初めてのマイナス成長となりそうです。
こうした業績悪化の背景には、国内外の複合的な要因があります。
海外では、ロシアやブラジルなど石油資源に依存する新興市場の低迷が続いていること、日本製の自動車が円安に支えられてアメリカやヨーロッパなどの先進国市場でも攻勢を強めていること、世界最大の自動車市場の中国で価格競争力を掲げる自国メーカーが急成長を続けていることなどが挙げられます。
また国内では、自動車の個別消費税引き下げがことし上半期で終了し、内需販売が減ったことや労働組合のストライキで生産に乱れが生じたことなどが業績に響いたとみられます。