アメリカ大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ氏の当選が決まりました。
トランプ氏は、選挙戦で、韓米FTA＝自由貿易協定について、アメリカの雇用減少につながっていると指摘し、これまでアメリカが結んできた悪い貿易協定を偉大な貿易協定に見直すと明言しています。
トランプ氏が、韓米FTAの再交渉に踏み切れば、アメリカとの貿易で大幅な黒字となっている韓国の輸出が大きな打撃を受けるのは必至です。
去年、アメリカとの貿易における黒字額は260億ドルで、韓米FTA発効前に比べて2倍近く増えています。
韓米FTAが一から見直されれば、アメリカとの貿易での黒字額の86％を占める自動車産業が最も大きな打撃を受けるものとみられます。機械や情報通信も打撃は避けられず、協定見直し後5年間で被る輸出の損失額は30兆ウォンに上る恐れがあるという見方も出ています。
韓米FTAについては、トランプ氏が、自らの支持基盤である白人の低賃金労働者からの支持に応えるために、再交渉を積極的に進める可能性が高いという見方がある一方で、通商の分野は議会の意見が強く反映される分野であることなどから、トランプ氏一人の判断で見直しに踏み切るのは難しいという観測も出ています。