野党は21日、大統領弾劾に向けた手続きに取り掛かりました。
韓国では20日、来年の次期大統領選の有力候補者ら8人が会同、昨今の事態について論議し、国会に対して、大統領の弾劾を議論するよう求めました。
これを受けて、最大野党「ともに民主党」は21日の議員総会で、△大統領に対する強制捜査、△国会が推薦する国務総理任命に向けた協力、△大統領の弾劾の三つを党の基本政策として全会一致で確定し、大統領の弾劾に向けて本格的に準備を進めることにしました。
また、野党第2党の「国民の党」は、△大統領の出国禁止と強制捜査、△国務総理推薦のための野党間の協力、△大統領の弾劾の三つを同じく党の基本政策として採択しました。
大統領が出国禁止になれば、来月日本で開かれる韓日中3か国首脳会談に出席できません。
検察は20日、大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入疑惑で、崔被告らの起訴状に大統領との共謀関係を明記したことから、野党は大統領の弾劾に必要な要件が充足されたとしています。
「ともに民主党」の秋美愛代表は21日、弾劾推進検討機構を設置し、弾劾の時期などについて検討を始めるとしました。
また、正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)代表は21日、「明日にでも野党3党の代表による会同が開かれることを希望する」として、速やかに弾劾のための具体的な協議を始めることを求めました。
一方、大統領とは距離を置く、与党セヌリ党の「非朴槿恵系」議員35人は20日、会議を開き、このうち32人が大統領の弾劾に向けた手続きに着手することに同意しました。
ただ、弾劾手続きに着手することに同意したもので、弾劾そのものに同意したわけではありません。
大統領に対する弾劾は国会で在席議員の3分の2以上の賛成が必要ですが、そのためには与党セヌリ党議員29人以上が賛成に回らなければなりません。