加湿器に使用する殺菌剤で多くの死傷者が出た問題で、業務上過失致死傷などの罪で起訴されていたメーカーの元社長ら2人に、懲役20年と10年がそれぞれ求刑されました。
検察は29日、ソウル中央地方裁判所で開かれた結審公判で、イギリスに本社を置く多国籍企業、レキット・ベンキーザーの韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」=現在の「RBコリア」の元社長、申鉉宇(シン・ヒョンウ)被告に対して、「虚偽の表示や広告で消費者をだまし、多くの乳幼児を死なせ、親には一生罪悪感を感じさせるようにした」として、懲役20年を求刑しました。
また2005年6月から10年5月にかけてこの会社で社長を務めたジョン・リー被告に対しては、「殺菌剤原料を毒性の強い物質に変える過程には関与していないとしても、代表取締役として製品のラベルや広告内容を実証する責任があり、製品の安全性を担保すべき立場にありながら、安全に対する社内外の警告を無視し、企業の利益だけを追求した」として、懲役10年を求刑しました。
申被告らは、2001年から2011年半ばまでのおよそ10年間にわたって、安全性の検証もせず、加湿器の水に混ぜる殺菌剤として、有害な化学物質が含まれた製品を販売し、死者73人を含む181人の被害者を出したとして、業務上過失致死傷などの罪で起訴されていました。
判決公判は、来年1月初めに開かれる予定です。