重大な医療事故が発生した場合、病院側の同意がなくても紛争調停の手続きを行うことができるとする、いわゆる「申海澈(シン・へチョル)法」が、今日から施行されます。
「申海澈(シン・へチョル)法」 は、韓国の有名歌手、申海澈氏が2年前、腸狭窄の手術を受けていた際に心停止し、その後死亡したことがきっかけとなり、それまで医療事故による調停を開始するためには当該病院の同意が必要だとしていた「医療事故被害救済及び医療紛争調整などに関する法律」の改正案として提起され、ことし5月に国会本会議で成立しています。
この法律の施行により、患者が死亡、1か月以上意識不明、障害等級1級の認定を受けるなど重大な医療事故が発生した場合、被害者や遺族などが韓国医療紛争調停仲裁院に調停申請をすれば、医師や病院の同意無しに紛争調停が
開始されることになります。
しかし、大韓医師協会は、この法律が施行されれば、病院が重症患者の受入拒否や危険度の高い手術を避けるなどの問題が発生しかねないとして、強く反発しています。
これについて政府は、患者側が病院側の業務妨害をする場合には、病院側が調停を拒否できるようにし、調停の適用対象も最小化するなどして、医療界の意見を十分に反映したとしています。