アメリカのアップルのデザイン特許を三星電子が侵害したとして科されていた賠償金が多過ぎるとして、三星電子が起こしていた訴訟の上告審で、アメリカ連邦最高裁判所が、審理を差し戻しました。
スマートフォンのデザイン特許侵害をめぐる三星電子とアップルの訴訟の上告審判決が現地時間の6日、連邦最高裁判所で行われ、裁判官8人の全員一致で、三星電子に科されていた3億9900万ドルの賠償金の算定をし直すよう審理を差し戻しました。
アップルの特許を侵害したとされたデザインは、フレームの丸い角、液晶画面の縁(ベゼル)など3つで、連邦最高裁判所は、判決で「特許が適用された部品は、全体の一部に過ぎないため、収益をすべて賠償金として支払う必要はない」と判決しました。
三星電子は2012年の第1審、去年の第2審で、アップルの特許3つを侵害したとして、11のスマートフォン機種から得た収益、3億9900万ドルの賠償金の支払いを命じられ、第2審の判決後に全額を支払っています。
しかし、今回、審理が差し戻され賠償額の算定がし直されることから、相当額が返還される可能性が出ています。
アメリカのマスコミは、連邦最高裁判所がデザイン特許侵害の問題を取り上げたのは120年ぶりで、「ギャラクシーノート7」の発火問題などで危機に立たされていた三星電子としては、この上ない勝利だったと伝えています。