朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件をめぐる3回目の聴聞会が14日、国会で行われ、大統領警護室の前医務室長、前看護将校、前主治医、大統領の前諮問医師など医療界の関係者たちが多く出席したほか、セウォル号沈没事故当日の救助状況を朴大統領に報告した金章洙(キム・ジャンス)前国家安全保障室長、前海洋警察庁長を含む13人の証人が出席しました。
この日の聴聞会は、朴大統領の弾劾訴追案可決後、初めて行われるもので、セウォル号沈没事故当日の大統領の「空白の7時間」について質問が集中しました。今回、国会が朴大統領の弾劾訴追案を可決した理由の一つとして、セウォル号沈没事故当時、朴大統領が被災した国民への保護・救助に乗り出さず、職務怠慢し、憲法に違反したとみたためです。朴大統領にはこの「空白の7時間」に大統領府青瓦台で美容施術を受けたという疑惑が持たれています。
聴聞会に出席した大統領の前諮問医師、キム・サンマン氏は、大統領の主治医や医務室長がいないときに、朴大統領を単独で診療したことがあり、官邸内で診療した際にも、主治医と医務室長は同席しなかったと述べました。さらに、2013年8月に諮問医師として任命される前から、これまで通り大統領への診療を行ってきたとしました。
しかし、大統領府内でに朴大統領に2、3回にわたり美容注射を打ったことはあるが、追加的な美容施術を行ったことはないと否定しました。
また、野党議員たちは、セウォル号沈没事故関連の捜索作業が真っ只中だった2014年5月13日に撮られた写真で、朴大統領の口回りに痣があることを確認できとして、これはシワを解消するための注射を打ったためではないかと追求しました。
これについて、崔被告が通っていた美容整形外科医師のキム・ヨンジェ氏は「シワ解消のためのピーラー注射の痕に見える。簡単な施術だ」としながらも、大統領府青瓦台からの連絡があって、何回か出入して診療はしているが、美容施術は行っていない」と、疑惑について否定しました。
一方、金章洙前国家安全保障室長は、セウォル号沈没事故当日の大統領の動きについて「補佐官から大統領は執務室にいらっしゃらないようだと聞いている」としました。
さらに、金前室長は、事故当日、執務室と官邸に状況把握報告書を1部ずつ送ったとしましたが、朴大統領がこの報告書を直接受け取ったかについては知らないとしています。
一方、国会国政調査特別委員会が、今月16日に、大統領府青瓦台への現場調査を行う方針だとしていることについて、大統領府青瓦台は、国家保安施設である大統領府で現場調査が行われれば、警備システムなど機密事項が漏えいする可能性があるとして拒否しました。