高病原性鳥インフルエンザに対する危機警報が、「警戒」から最高段階である「深刻」に引き上げられました。
農林畜産食品部は15日、家畜防疫審議会を開き、高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)の感染拡大が続いていることを受けて、危機警報を「警戒」から最も高い「深刻」に引き上げました。鳥インフルエンザの危機警報で「深刻」が出されたは初めてです。
危機警報の段階が「深刻」に引き上げられると、全国の主な道路に消毒設備が設置され、政府が飼料工場や食肉処理場など家畜関連施設や家禽類を売る伝統市場も閉鎖できます。
15日、釜山(プサン)市機張(キジャン)郡の養鶏場からも鳥インフルエンザに感染した疑いがあるという届出があるなど、鳥インフルエンザは、発生から1カ月足らずで済州(チェジュ)島を除く全国各地に広がっています。
先月16日に感染が確認されてから1か月足らずでおよそ1500万羽が殺処分される過去最悪の被害が出ています。最も大きな被害があった2014年には195日間で1400万羽が殺処分されています。
10月28日に忠清南道天安市の蓬江川(ボンガンチョン)の渡り鳥の糞便から鳥インフルエンザウイルスが初めて検出されたとき、農林畜産食品部は市単位でのみ防疫隊を設け、「渡り鳥注意」の文字メッセージを周辺の農家に送る対応しか取らず、過去最悪の被害となっている原因のひとつとして、政府の初期対応の甘さが指摘されています。