韓中FTA=自由貿易協定が20日、発効1年目を迎えましたが、中国への輸出はむしろ減少していることが分かりました。
韓国貿易協会によりますと、ことし1月から10月までの中国への輸出額は、1008億ドルで、韓中FTAが発効する前の去年1月から10月までの輸出額より12%減少したということです。
当初、韓国政府は、韓中FTAの発効により輸出品目の関税が即時撤廃または引き下げとなり、中国市場で韓国企業の価格競争力が向上することに加え、FTA発効1年目には製造業部門だけで13億5000万ドル、韓国ウォンにして1兆5000億ウォンの輸出増加効果があるものとみていましたが、こうした予想を覆す結果となりました。
これについて経済専門家は、中国の経済成長が鈍化したことや、中国の中間財の自給率が拡大したことが主な原因だと分析しています。その一方で現在、中国がアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓半島への配備に反発して行っている一連の報復措置が、輸出にまで影響を及ぼす可能性があり、韓中FTAの経済的効果を高めるためには、この問題を優先的に解決する必要があると指摘しました。