韓国とアメリカが去年7月、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国配備を決めたあと、韓中の軍事交流が全面的に中断したことがわかりました。
韓国国防部の当局者が8日明らかにしました。
それによりますと、去年7月以降、中国が9件の軍事関連日程を一方的に取り消し、すべての交流が中断したということです。
去年予定されていた韓民求(ハン・ミング)国防部長官の中国訪問の要請に対し、中国からの返答はなく、2011年から毎年開かれていた次官級国防戦略対話に中国が応じず、会議そのものが開かれなくなったということです。
また、去年9月に開かれたソウル安保対話では招請を拒否しており、去年12月の韓国海軍士官学校生徒の青島港訪問を不許可にしています。
これらについては、サードの韓国配備に対する中国の報復措置とする見方が強くなっています。
一方、中国国防部は10日、「中国は韓国と相互の安全保障上の利益を尊重しながら協力することを望んでいる」と述べました。
そのうえで、「サードの韓国配備に反対する立場に変わりはない。韓国には、両国軍が協力できる条件を提供してほしい」としており、サードの韓国配備の方針を撤回しなければ、軍事交流は再開できないとの姿勢を鮮明にしたものと受け止められています。