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社会

対馬の盗難仏像 元所有主へ引き渡し判決

Write: 2017-01-26 15:04:24Update: 2017-01-26 15:04:24

対馬の盗難仏像 元所有主へ引き渡し判決

窃盗犯によって対馬から韓国に持ち込まれた高麗時代の仏像「観世音菩薩坐像」について、裁判所が、元所有主の韓国忠清南道の浮石(プソク)寺に引き渡すことを命じる判決を言い渡しました。
大田(テジョン)地方裁判所は26日、浮石寺が韓国政府に対して「観世音菩薩坐像」を返還するよう求めて起こした訴訟で、「現場検証などを通じて、この仏像が、過去に正常ではない過程で日本に渡ったという事実が認められ、浮石寺の所有と十分、推定される。歴史、宗教的価値を考慮すれば、浮石寺に引き渡す義務がある」として、保管していた韓国政府に対して直ちに浮石寺に引き渡すよう命じました。
「観世音菩薩坐像」は高麗末期の1330年に作られましたが、対馬市の観音寺に渡り、2012年、韓国人窃盗団に盗まれて韓国に持ち込まれました。
この仏像については、韓国の浮石寺が「元々、所有していたもので、倭寇(わこう)に奪われた」と主張し、韓国の裁判所が2013年、日本への返還を差し止める仮処分を決定し、国立文化財研究所に保管されていました。
この仏像ととも韓国に持ち込まれた統一新羅時代の仏像「銅造如来立像」については、「日本が仏像を不法に取得したという事実が確認されなかった」として、2015年に日本に返還しています。
今回の判決は、略奪された文化財の所有権を認めた韓国で初めての判決で、今後、日本など海外に持ち出された韓国の文化財の返還に影響を及ぼすとみられます。
現在、海外にある韓国の文化財は、文化財庁の海外所在文化財財団の推計で16万8000点あまりに上るとされています。

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