前国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏が、韓国の次期大統領選挙への立候補を断念しました。
潘基文氏は1日、国会で記者会見し、「自らが政治交代を主導し、国家統合を成し遂げようとした純粋な志を捨てる」と述べ、立候補を断念する意向を表明しました。
潘基文氏は、「私の純粋な愛国心と抱負は人格殺害に近い攻撃と様々な陰謀、でっち上げの報道などで政治交代の名分を失い、10年に及ぶ国連事務総長の名誉に大きな傷を残す結果になった」として、韓国の政界とメディアを暗に批判しました。
潘基文氏は保守系の有力候補とされていましたが、最近行われた次期大統領候補の支持率調査で13.1%と、32.8%の最大野党「ともに民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表に大きく差をあけられていました。
潘基文氏は国連事務総長の任期を終えて先月12日帰国し、「国のために身を捧げる覚悟だ」として、大統領選挙に立候補する意思を表明し、選挙前の憲法改正などを訴えましたが世論への浸透には繋がりませんでした。
潘基氏の不出馬表明で保守系は戦略の練り直しを迫られることになりました。