韓国の国会では、大統領制と議員内閣制を組み合わせた「半大統領制」の導入に向けて議論が進んでいるもようです。
先月5日に発足した国会の憲法改正特別委員会の小委員会が8日、開かれ、大統領制のあり方について、オーストリア式の「半大統領制」を導入する必要があるということで事実上の合意がなされました。
オーストリア式の「半大統領制」は、国民の直接選挙によって選出された大統領は、外交だけを担当する象徴的な国の元首の役割をし、国内政治は、議会で選出された首相が長となる内閣が担当します。
議会の多数党が政府を率いる事実上の議員内閣制です。
憲法改正については、朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入事件が、大統領に権力が過度に集中するいまの大統領制の弊害によるものだというコンセンサスが形成され、早急な憲法改正を求める声があがっていました。
しかし、ここにきて、次期大統領選挙の早期実施が見込まれるようになってから、憲法改正の論議は棚上となっていて、憲法改正特別委員会では、大統領選挙の前に、候補らが憲法改正に関する公約を掲げるようにする必要があるという意見が出ています。
憲法改正特別委員会は今月13日、全体会議を開き、憲法機関、政府部署、憲法上の諮問機関など16の機関から憲法改正についての意見を聴取する方針です。