朴槿惠(パク・グネ)大統領をめぐる疑惑を、政府から独立して捜査している特別検察官の捜査チームは10日、大統領府青瓦台が特別検察官の家宅捜索を拒否したことは違法だとして、ソウル行政裁判所に対して青瓦台の捜索不承認の取り消しを求める訴訟を起こしました。
特別検察官の捜査チームは、朴大統領の収賄や職権乱用の疑惑などを調べるため、今月3日、青瓦台に家宅捜索に入りましましたが、青瓦台側は、軍事上や職務上の秘密保持を要する場所は責任者の承諾がなければ家宅捜索できないという刑事訴訟法の規定を根拠に立ち入りを拒みました。このため捜査チームは家宅捜索をあきらめて引き揚げました。
捜査チームは、刑事訴訟法では軍事機密などを扱う機関は、家宅捜索できないようになっているが、国益を損なわない場合は認められるとして、 朴大統領をめぐる疑惑の真相を究明するための家宅捜索は国益を損なうものではないとして、青瓦台の家宅捜索拒否は違法だとしています。
特別検察官の捜査期間は、今月28日までとなっているため、裁判所は来週中にも判断を下すとの見方も出ています。
捜査機関が、青瓦台の捜索不承認の取り消しを求める訴訟を起こしたのは、これまでに前例がありません。
この訴訟に対する判断は、捜査機関にとってこれまで「聖域」とされてきた青瓦台の今後に影響を与えることになるだけに、大きな関心が寄せられています。