韓国最大の財閥企業、三星グループの事実上の経営トップである三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン )副会長が、朴槿惠(パク・グネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告らへの贈賄などの容疑で、17日朝、逮捕されました。
政府から独立して一連の事件を捜査している特別検察官の捜査チームは、李在鎔副会長が三星グループ内の企業合併に政府が協力する見返りに、朴大統領や崔被告側に合わせて430億ウォンの賄賂を供与しようとしたとして、ソウル中央地方裁判所に対して、14日、逮捕状を請求しました。特別検察官の捜査チームは、先月も裁判所に対して李副会長の逮捕状を請求していましたが、裁判所は認めなかったため、再請求に乗り出したものです。
16日に行われた逮捕状審査はおよそ7時間におよび、特別検察官側と三星側が厳しく対立しましたが、結局、裁判所は「新たに構成された嫌疑と追加された証拠資料からして、逮捕の必要性が認められる」として、17日早朝、逮捕状を発布しました。
特別検察官は前回、逮捕状が棄却された後も逮捕状を再請求する方針を示唆して捜査を続け、李在鎔副会長について、従来の贈賄、横領、偽証などの嫌疑に加え、数十億ウォン相当の名馬2頭を崔被告の娘を支援するため、海外への財産逃避を図ったとして、「資産の海外逃避」という嫌疑を追加して、14日、逮捕状を再請求していました。
一方、裁判所は、崔被告を支援する上で実務を担当していたパク・サンジン三星電子社長に対して、請求されていた逮捕状は棄却しました。
裁判所は、棄却の理由について「被疑者の地位、権限、実質的な役割などからして、逮捕の必要性が認められない」としました。
三星グループの経営トップが逮捕されたのは初めてで、今後、特別検察官の朴大統領に捜査が加速するとみられる一方、三星の経営に影響が出ることも懸念されます。