韓国の去年の海上輸送収支が5億ドルあまりの赤字となり、統計を取り始めた2006年以来、初めての赤字となりました。
韓国銀行が17日にまとめたところによりますと、去年の海上輸送収支は5億3060万ドルの赤字となりました。
韓国は、これまで海上輸送収支で黒字が続いていましたが、海運業の世界的な不振などの影響で黒字幅が縮小し続け、去年、赤字に転じたものです。
これは、韓国の海運最大手だった「韓進（ハンジン）海運」の経営破たんが大きく影響したものとみられています。
「韓進海運」は経営が悪化し、去年9月に日本の会社更生法に当たる法的管理に入りましたが、裁判所は今月はじめに再生手続きを中止することを決め、17日に破産を宣告しました。
韓進海運の破綻で、韓国海運業界の船舶運航能力は半分に減っていて、韓進海運の船舶が主に利用していた釜山（プサン）港は、去年、世界的な金融危機に見舞われた2009年以来、7年ぶりに貨物取扱量が減っています。
今年も、アメリカを中心とした保護貿易主義の強化などにより、海運業の業況は不透明で、韓国の海運業界が新たな活力を見出せない限り、黒字を回復するのは難しいとみられています。
政府は、海運業の回復のため、大型船舶の建造を支援し、金融支援を強化するなどの対策作りに乗り出すとしています。