韓国最大の財閥、三星グループの経営トップ、三星電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)容疑者(48)が贈賄容疑などで逮捕されたことで、特別検察官の朴槿恵(パク・クネ)大統領への捜査に弾みがつきそうです。
政府から独立して一連の事件を捜査している特別検察官の捜査チームは、2015年の三星グループの系列企業間の合併に関連し、朴大統領の指示で政府が合併を後押しする見返りとして、李容疑者側が朴大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の娘の乗馬活動などへ巨額の資金支援を行ったとみています。
李容疑者に対する逮捕状の請求を裁判所が認めたのは、李容疑者が崔被告に渡した資金が見返りを求めたものである疑いが強いことを、裁判所がある程度認めたとも受け止められています。
そのため、李容疑者の逮捕は、特別検察官の捜査チームの朴大統領に対する収賄罪の捜査に追い風となるというのが大方の見方です。
現在、特別検察官の捜査チームは、朴大統領側と対面での事情聴取の日程を調整しています。
また、特別検察官の捜査チームは16日、今月28日までとなっている捜査期間の延長を求める申請書を黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行に提出していますが、今回の逮捕状発布により捜査期間延長の必要性を訴えやすくなりました。
一方、世論調査会社のリアルメーターが15日に行った世論調査では、回答者の67.5%が特別検察官の捜査期間の延長に賛成しています。