トランプ大統領が現地時間の先月23日、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を公式に発表し、発効が事実上不可能になったことで、TPPに加盟していなかった韓国は、およそ4兆6000億ウォンのGDP=国内総生産の潜在的な損失を免れたことがわかりました。
KOTRA=大韓貿易投資振興公社は1日、日米の通商環境の変化が韓日の経済および輸出に及ぼす影響を分析した報告書をまとめました。
報告書では、アメリカと日本が主導して進めてきたTPPが、保護貿易主義を掲げるトランプ政権の発足によって、頓挫したことで、TPPを足がかりに経済の建て直しを図ろうとしていた日本の計画に支障が生じたとしています。
加盟国の日本は、最大で136兆ウォンのGDP増加効果を逃したとみられています。
一方、韓国はTPPが妥結した場合、韓米FTAの効果が半減し、GDPは4兆6000億ウォン、輸出は6兆ウォン以上減少するという見通しが世界銀行によって発表されていましたが、こうした潜在的な損失を免れることになりました。
また、2国間のFTAで、輸出競争力が高まるとみられます。
関税率だけをみますと、自動車・部品、鉄鋼は、韓国がアメリカに関税ゼロで輸出できるため、日本より有利となります。
報告書は、今後、アメリカ国内での生産を拡大する一方、輸出の多角化、拠点間の生産体系の柔軟化などの対策を講じておく必要があるとしています。