朴槿惠(パク・グネ)前大統領の罷免が宣告された10日、憲法裁判所前で起きた弾劾反対派と警察との衝突で、けがをして病院で手当てを受けていた70代の男性1人が死亡し、衝突による死者は3人となりました。
ソウルの憲法裁判所の周辺では、10日午前11時20分過ぎ、憲法裁判所が朴槿惠前大統領の弾劾訴追を認める判決を出した直後、激しく反発する弾劾反対派の一部と警察機動隊が激しく衝突し、およそ60人がけがをしました。
病院に運ばれたけが人のうち、50代と70代の男性2人が10日、亡くなりましたが、さらに11日午前、70代の男性の死亡が新たに確認されました。これで弾劾反対派の死者は、合わせて3人になりました。
警察によりますと、病院で手当てを受けている1人も危篤状態だということで、参加者の多くが高齢者だったことから、死者がさらに増える恐れがあります。
警察は死亡の経緯を調べるとともに、遺族と協議して司法解剖を進める方針です。
弾劾反対集会に参加した人たちは、今後も朴槿恵前大統領の無実が証明されるまで集会を続けるとして徹底抗戦の姿勢をみせており、11日もソウル都心で集会を開くことにしています。
11日は、弾劾賛成派による大規模集会も同時に開かれることから、双方の衝突が懸念されています。