韓国では、高齢化が急速に進むなか、高齢者向けの食品市場も大きく伸びています。
農林畜産食品部と韓国農水産食品流通公社(aT)が6日に出した「高齢者にやさしい食品市場に関する市場分析報告書」によりますと2015年現在、高齢者にやさしい食品の市場規模は、7903億ウォン(およそ775億円)に上ると推定されるとしています。
国内食品市場(2015年出荷額)に占める割合は1.5%と低いものの、成長幅をみると、2011年から4年間で54.8%も伸びています。
韓国は、世界でも類を見ないほど急速に高齢化が進んでいて、統計庁の人口推計によりますと、2017年末か2018年始めには、65歳以上の人口が14%を超え、「高齢社会」に突入する見込みです。
こうした高齢化の進行とともに、高齢者向けの商品やサービスへのニーズも拡大しています。
農食品部の説明によりますと、2016年12月に成人600人を対象に行ったオンライン消費者認識調査で、高齢者向けの食品に求められるものとして「栄養供給」(48.8%)、「消化のよいもの」(26.5%)、「歯と味覚を考慮したやわらかい食感」(20.3%)などがあげられました。
また、60歳を過ぎてから消費が増えた品目は、健康機能食品(12.9%)、人参・紅参製品(12.2%)、豆腐(10.8%)、チョングクチャン(9.9%)がありました。
農林食品部は、関連市場の規模をさらに拡大するために、今年中に高齢者にやさしい食品についての韓国産業標準(KS)を設け、業界にガイドラインとして示す予定です。