韓国銀行は13日、韓国のことしの経済成長率をことし1月の見通しから0.1ポイント引き上げて2.6%に上方修正しましたが、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国への配備に対する中国の報復措置の影響で、0.2ポイント低くしていることがわかりました。
これは、韓国銀行が13日にまとめた「サード関連韓中交易環境変化の影響」という報告書で明らかにしたものです。
この報告書は、サードの韓国への配備に対する中国の報復措置が強化され、韓国経済への影響についての懸念が深刻になっているとし、ことし第2四半期から1年間にわたって、中国人の観光客が30%減り、中国に対する商品の輸出が2%減少すると想定して報復措置の影響を分析したということです。
報告書は、サード配備に対する中国の報復措置がなければ韓国のことしの経済成長率は2.8%を見込めるとする見解を示したものです。
中国は、去年の7月にサードの配備が決まってから、韓国への団体旅行の規制や消費財などの通関手続きの強化、韓流コンテンツの制限などの措置を取っていて、ことしに入ってからは、旅行代理店を通じた韓国旅行の禁止やロッテマートの営業制限など、さらに報復措置を強めています。
韓国銀行は、「台湾や日本などの過去の事例や、韓国経済が中国に対する依存度が高いことなどを考えると、中国の報復措置が強化されれば、これからも韓国経済に相当な負担になる可能性がある」と懸念を示しています。