韓国の市民団体がソウルの日本大使館前に設置された旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像の横に、日本による植民地時代に日本に強制連行された徴用工の像を設置する計画を進めています。
計画しているのは「対日抗争期強制動員被害者連合会」で、「被害者の名誉を回復し、歴史を清算するために、8月15日の独立記念日・光復節に合わせて、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦少女像の横に徴用工の像を設置する」としています。
設置される像は高さ3メートルほどで、慰安婦少女像を制作したキム・ウンソンさんがつくったということです。像には強制動員の内容を記した文章と、苦しんでいる徴用工の姿が刻まれるということです。
釜山(プサン)の日本総領事館前と光州(クァンジュ)駅前の広場にも設置を進める計画で、28日に記者会見し、詳細を発表するとしています。
「対日抗争期強制動員被害者連合会」は、強制徴用の被害者と遺族1004人を集めて、日本企業80社あまりを相手取って戦時中の強制徴用の賠償などを求める訴訟を起こしています。
徴用工の像の設置に向けた動きについて、菅義偉(すがよしひで)官房長官は28日の記者会見で、「日韓関係に好ましくない影響を与え、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らしても極めて問題である」としています。