韓国外交部は28日、ソウルの日本大使館前の少女像の隣に日本による植民地支配時代に強制労働を強いられた徴用工の像を設置しようとする動きについて「正しくない」とする立場を示しました。
韓国の市民団体は、植民地時代に動員されて過酷な労働を強いられた韓国の労働者を象徴する徴用工の像を、植民地支配から解放された記念日の、ことし8月15日の「光復節」に合わせてソウルの日本大使館前と釜山の日本総領事館前にそれぞれ設置する計画を28日、発表しました。
これについて韓国外交部の当局者は28日、「外国の公館付近に造形物を設置することは、外交公館の保護に関する国際的な礼儀と慣行の側面から正しくない」とするコメントを出しました。
徴用工像の設置の動きについて、日本政府は28日、外交ルートを通じて憂慮の念を韓国政府に伝えて適切な対応を求めており、韓国政府としてはこの像の設置を支持しない立場を明確にした形となりました。
韓国政府はソウルの日本大使館や釜山の日本総領事館の前に設置された少女像についても、同じ理由で「適切ではない」という認識を表明していますが、撤去には至っていません。
こうしたことから徴用工像は設置される可能性が高いものとみられ、韓日関係悪化の新たな火種になるとする懸念の声が上がっています。