韓国南部の全羅南道珍島沖で沈没、多数の犠牲者を出した旅客船セウォル号の船会社、清海津海運の実質的オーナーだった故兪炳彦(ユ・ビョンオン)元セモグループ会長の長女、ユ・ソムナ容疑者が7日午後、韓国に到着しました。
検察はセウォル号が沈没した2014年にセモグループの不正全般について捜査し、その過程でユ・ソムナ容疑者の横領や背任の嫌疑が明るみに出ました。
ユ・ソムナ容疑者はセモグループの系列会社からコンサルティング名目で48億ウォンを受け取るなど、合わせて492億ウォン、およそ49億円の横領及び背任の疑いが持たれています。
検察は当時、フランスに滞在していたユ・ソムナ容疑者を国際刑事警察機構を通じて指名手配し、ユ・ソムナ容疑者はフランスで逮捕されましたが、強制送還を不服とする訴えを起こしていました。
このほどフランス最高行政裁判所が訴えを却下したことで、韓国に強制送還されたものです。
韓国政府は2015年にセウォル号沈没事故に関連して、故兪炳彦氏一族にセウォル号引揚げなどの費用の一部、1800億ウォンの求償金を求める訴訟を起こしていますが、ユ・ソムナ容疑者が逮捕されたことで、求償金訴訟に弾みがつくものとみられます。