朴槿恵(パク・クネ)前大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入事件で、ソウル中央地方裁判所は8日、三星グループ系列会社の合併に賛成するよう国民年金管理公団に圧力をかけたとして職権乱用の罪などで起訴された文亨杓(ムン・ヒョンピョ)前保健福祉部長官に、懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。
裁判所は、文亨杓前長官について、「保健福祉部の公務員を通じて圧力を行使し、国民年金の基金運用の独立性を著しく傷つけ、不法性が高い」との判断を示しました。
文亨杓前長官は去年、三星物産と第一毛織が合併した際、臨時株主総会で大株主の国民年金公団に対して賛成票を投じるよう強要した罪などで起訴されました。
政府から独立して朴前大統領と崔被告が絡む一連の事件を捜査した特別検察官は、文前長官が当時、大統領青瓦台の政策調整首席秘書官だった安鍾範(アン・ジョンボム)被告らを通じて「合併が成功するよううまく取り計らえ」とする朴前大統領の指示を受けたことを明らかにしていました。
特別検察官と検察は、朴政権が合併を手助けする見返りとして三星が崔被告の娘、チョン・ユラ容疑者の乗馬訓練の支援に乗り出すなど賄賂の供与があったとみています。
裁判所が今回の判決で、合併について文前長官の圧力を事実と認めたことで、今後の朴被告と三星電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告の裁判に影響を与えるか注目されています。