韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国配備をめぐり、「私もわからない理由で進行が早まった」と述べました。
文大統領が22日、大統領府青瓦台で行われたロイター通信のインタビューで述べたものです。
このなかで、文大統領は、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の発射台が文大統領の就任前に6基搬入されていたことについて、「当初の韓米合意では、発射台6基のうち1基を2017年末までに配備し、残りは翌年となっていたが、私もわからない理由で早まった」と述べました。
THAADの配備日程をめぐる韓米間の合意内容は、これまで公開されたことがなく、文大統領の発言は、当初の合意と異なり、韓国駐留アメリカ軍が配備を急いだ可能性があるという見方を示したものと受け止められています。
また、文大統領はインタビューで、サードの韓国配備に反発して韓国企業に制裁を加えた中国政府の措置も批判し、「来月はじめに開かれるG20=主要20か国・地域首脳会議で中国の習近平主席と会い、制裁措置を解除するよう求める」と述べました。
文大統領はまた、北韓の核問題の解決に向けた中国の役割について、「中国が北韓のさらなる挑発を阻止するために努力していることはわかっているが、まだ具体的な成果はない」と指摘し、「中国は北韓の唯一の同盟であり、また北韓に最も多くの経済的援助を提供する国だ。中国の協力がなければ制裁の実効性を得るのは難しいだろう」と述べ、中国に対し、北韓への圧力を強めるよう求めました。
文大統領は、さらに、旧日本軍の慰安婦問題について、「日本は、慰安婦問題を含め、両国間の過去の問題の解決に最大限の努力をしていない」と指摘しました。