5月の国内旅行収支の赤字が、前の年の同じ時期に比べて5倍以上に増えていることが分かりました。
韓国銀行が5日に発表した「2017年5月の国際収支」によりますと、韓国の旅行収支の赤字は13億6000万ドルで、前の年の同じ時期に比べて5倍以上に増えたということです。これは、韓国でマーズ=中東呼吸器症候群(MERS)の感染が拡大した2015年7月の14億7000万ドルを下回るものです。
詳しく見ますと、5月の海外旅行者数は、前の年の同じ時期に比べて21%増加した200万4000人だったのに対し、同じ期間に韓国を訪れた外国人観光客は34.5%減少した97万8000人にとどまりました。中でも中国人観光客は64.1%減少した25万3000人でした。
韓国銀行の関係者は、「5月に連休があったため海外旅行客が急増した一方で、中国政府がアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国配備に反発した影響で中国人観光客が減ったため、旅行収支の赤字が拡大したとみている」と説明いています。
一方、5月の韓国の経常収支は、2012年3月以来、63か月連続の黒字となりましたが、黒字額は前の年に比べて43.4%減少した59億4000万ドルにとどまりました。これは、原油価格の上昇によって商品収支の黒字額が減少したためだとみられています。