北韓のICBM=大陸間弾道ミサイル試験発射を受けた対抗措置として進められている韓米ミサイル指針の見直しに関連し、国防部は射程800キロの韓国の弾道ミサイルに搭載できる弾頭の重量を現行の500キロから2トンに増やすことを主張する考えのもようです。
国会国防委員会の委員長を務める野党「正しい政党」の金栄宇(キム・ヨンウ)議員は7月30日、記者らに対し、「前日、宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官と会って話したが、宋長官が韓米ミサイル指針の見直しに向けた交渉で、弾頭重量を2トン以上に増やすことを主張をする考えのようだ」と述べました。
政府が2012年にアメリカとの交渉によって改定した韓米ミサイル指針は、韓国の弾道ミサイルの最大射程距離を800キロ、弾頭重量を500キロに制限しています。
韓国軍は、地下の核・ミサイル施設や有事の際に北韓指導部の隠れ場所となる地下バンカーを破壊するためには、弾頭重量が1トン以上でなければならないと判断していて、韓米ミサイル指針の見直しに向けた交渉で、韓国政府は弾頭重量を今の500キロから1トンに増やすことを求める方針だと伝えられていました。
弾頭重量2トンへの見直しは、これをさらに大幅に上回るもので、注目されます。
一方、宋永武国防部長官は7月31日に開かれた国会国防委員会の全体会議で、「原子力潜水艦の導入を検討する準備ができている」と述べました。
政府関係者が原子力潜水艦を導入する考えを公の場で示したのは初めてで、北韓のICBM試験発射に政府として積極的に対応する強い意志を示したものと受け止められています。