韓米FTA=自由貿易協定の見直しを求めるアメリカからの要請で、韓国とアメリカ両政府による共同委員会が22日にソウル市内で初めて開かれ、アメリカの見直し要求に対し、韓国は「受け入れられない」とする立場を示し、議論は平行線に終わりました。
会議では、韓国から産業通商資源部の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長が、USTR=アメリカから通商代表部のビーマン通商代表補が出席したほか、ライトハイザー代表はテレビ会議の形で参加しました。
アメリカは、韓米FTAが原因で韓国との貿易赤字が倍増したとしてFTAの見直しに向けた交渉を早期に始めることを公式に求めてきました。具体的には、自動車や鉄鋼、情報通信(IT)分野で貿易不均衡が深刻化していると主張しました。
トランプ大統領は、オバマ前政権時の2012年に発効した韓米FTAについて「必ずしもよい協定ではない」として不満を表していましたが、韓国に対して見直しを公式に求めてきたのは初めてです。
これに対し、韓国はデータを示しながら、アメリカの対韓国貿易赤字が倍増したのはFTAが原因ではないとして、アメリカの見方に反論したうえで、両国の専門家で韓米FTAの効果やアメリカの貿易赤字の原因について客観的に調査・分析をすることを提案しました。
共同委員会を終えた後も、アメリカのライトハイザー通商代表は、「この協議は、アメリカ企業が苦しんでいる貿易障壁の問題を解決する機会になる」として今後も韓国に対して引き続き、FTAの見直しを求めていく考えを示していますが、金鉉宗通商交渉本部長は「韓国は貿易の均衡と国益の最大化を念頭にこれからも堂々と対応していく」としていて、両国の隔たりが大きいことが改めて浮き彫りになりました。