文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、1980年の光州民主化運動の最中に空軍戦闘機部隊に光州への出撃待機命令が出されていたことや、鎮圧軍がヘリコプターを動員して民間ビルに無差別発砲を行ったとする証言について、真相究明のため宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官に特別調査を行うよう指示しました。
光州民主化運動は、1980年5月18日から10日間、光州の学生や市民が民主化を求めて反政府デモを展開したもので、これに対し政府の鎮圧軍部隊が出動し、軍の発砲によって200人以上が死亡または行方不明になっています。ユネスコ=国連教育科学文化機関は2011年、この運動を「民主抗争」と認めています。
大統領府青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官は23日の定例会見で、文大統領が、光州民主化運動の際、鎮圧軍の対応をめぐる軍関係者や市民らの証言について、特別調査を行うよう宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官に指示したことを明らかにしました。
1980年当事、水原第10戦闘飛行団101大隊でF-5E/F戦闘機操縦士をしていた男性は21日韓国メディアのインタビューに答え、「光州事件が始まった数日後に、爆弾を搭載した状態での待機命令が出されたが、その日のうちに解除された。出撃先は光州だった」と述べました。
また、光州市民を鎮圧するため軍がヘリコプターを動員して空中から民間ビルに無差別発砲を行っていた事実が、最近政府傘下機関の鑑定報告書で明らかになり、波紋を広げています。
ヘリコプター射撃を目撃したという証言について、これまで軍は強く否定していました。