三星グループの経営権継承問題で前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告に便宜供与を求めて朴被告と友人の崔順実(チェ・スンシル)被告に賄賂を贈った罪などに問われていた三星電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告に対して、一審で懲役5年の実刑判決が言い渡されたことで、贈賄罪と表裏一体の収賄罪に問われている朴槿恵被告も有罪判決を受ける可能性が高くなったとみられています。
ソウル中央地方裁判所は25日の判決で、李在鎔被告に対して懲役5年の実刑判決を言い渡した理由について「大統領の積極的な要求に見返りを期待して賄賂を贈った」としながらも、朴槿恵被告が2014年9月から2016年2月にかけて李在鎔副会長と3回にわたって会い、積極的に賄賂を要求したと判断し、「大統領の要求を断ることは容易ではなかったとみられる」として刑を減じたと説明しました。
具体的には、「朴前大統領が崔順実被告の娘に対する乗馬支援に特別な関心を示し、支援が不十分な場合は三星グループの役員交代にも具体的に言及した」ことを指摘し、 朴被告と崔被告が「私的利益のために支援を要求した」としました。
また「朴被告と崔被告は経済的に一体で共謀関係にある」とする検察側の主張も認め、朴被告の悪質性を強調しています。
こうしたことから、収賄罪に問われている朴槿恵被告に有罪判決が言い渡され、刑も重くなる可能性が高いとする見方が法曹界に出ています。