使用が禁止されている農薬成分「DDT」が卵や鶏から検出され、社会問題となっているなか、慶尚北道(キョンサンブクド)の採卵鶏農場2か所の土壌でも「DDT」が検出されました。
農村振興庁が28日、発表したところによりますと、土壌から「DDT」が検出されたのは、慶尚北道慶山(キョンサン)と永川(ヨンチョン)の採卵鶏農場2か所です。
この農場で使用中の農業用水や飼料、また農場近くの農作物からはDDTが検出されませんでした。
農村振興庁の関係者は、「DDTに汚染された土を、鶏が食べ、卵にまで吸収されたものとみられる。DDTが検出されたこれらの農場の卵や鶏は今月23日と24日、すべて廃棄された」と話しています。
DDTは、有機塩素化合物の殺虫剤の一つで、人体に吸収されると癌をはじめ、異常感覚、まひ、けいれんなどを引き起こす猛毒物質です。
韓国では、1945年に導入されて以降、低価格で殺虫効果が高いとして、農業に広く使われましたが、内分泌かく乱物質であることがわかり、1973年から穀物への使用が禁止されています。
DDTは、体内で代謝によって量が半分になる時間の「半減期」が50年と長いうえ、光や酸化に強く、自然界では分解されにくいという特性があります。
しかし、農耕地や家きん類飼育場での使用に関する管理基準が設けられていないため、農村振興庁は、今後、土壌のDDTの管理基準とともにDDT低減策を講じる方針です。